トラウマフォーカスト認知行動療法
Trauma-Focused Cognitive Behavioral Therapy, TF-CBT
TF-CBTとは?
TF-CBTは、ジュディス・コーエン、アンソニー・
TF-CBTは、子どものPTSD症状だけでなく、トラウマに関連したうつや不安症状、行動上の問題、恥や罪悪感といった感情、社会生活能力などにおける回復が認められています。また、養育者を治療に組み入れることで、養育者自身の抑うつ感情やPTSD症状、養育能力や子どものサポート機能の向上にも効果を発揮します。
TF-CBTの治療目標
子どもと養育者が、トラウマ体験の記憶を適切に処理し、トラウマに関連する非機能的な認知や思考、コントロール不全に陥っている感情、不適応的な行動を、うまく管理できるようになることがこのプログラムの目標です。
TF-CBTの構成要素
TF-CBTは、認知行動療法の原理原則に基づき、アタッチメント理論、発達的神経生物学、家族療法、エンパワメント療法、人間性心理学などの要素を取り入れ統合された、ハイブリッドな治療プログラムです。その構成要素は、A-PRACTICEの頭文字で表されます。
TF-CBTの治療構成要素「A-PRACTICE」(Cohen et al., 2017)
Assessment and case conceptualization
アセスメントとケースの概念化
Psychoeducation about child trauma and trauma reminders
子どものトラウマとトラウマリマインダーについての心理教育
Parenting component including parenting skills
ペアレンティングスキルを含む養育に関する要素
Relaxation skills individualized to child and parent
子どもと養育者それぞれへのリラクセーションスキル
Affective expression and modulation skills tailored to youth and family
子どもと家族に合わせた感情表出と調整のスキル
Cognitive coping: cognitive triangle
認知コーピング: 認知の三角形
Trauma narration and processing
トラウマナレーションとプロセシング
In vivo mastery of trauma reminders
実生活内でのトラウマリマインダーの統制
Conjoint child-parent sessions
親子合同セッション
Enhancing future safety and development
将来の安全と発達の強化